住友電工の流儀~横井 清則~

多様な分野で、お客様のお役に立つために グローバルニッチトップのDNAを次世代へ

エレクトロニクス、自动车、航空機、医療も

スマートフォンやパソコンなどの電子機器、自动车の中にも無数に張り巡らされているのが電線やケーブルです。情報の伝達、電気の供給を行うのはもちろんのこと、高性能化や小型化といった製品の進化を支えています。

これら高机能配线材、またユニークな高机能部材の开発?製造を担うのが电子ワイヤー事业部です。
医疗现场で超音波诊断装置に搭载されている极细同轴ケーブル、フィルム型リチウムイオン电池で採用されるタブリード、航空机の机体配线など、幅広い产业分野で用いられ、世界トップクラスのシェアを夸ります。

グローバルニッチトップとして世界でお使いいただいている背景には、耐久性や耐热性、高速伝送など、多様な机能ニーズに応えられる独自开発の技术があります。常にお客様の近くで、共に课题の解决に取り组み、技术のシナジーを発挥して事业领域を広げてきました。

若手に裁量ある仕事を任せる公司风土

電子ワイヤー事業の始まりは白物家電で、テレビなどの内部配線を供給していました。やがて社会の変化に呼応し、デジタル機器、携帯電話、自动车、医療機器、航空機、そしてゲーム機へと用途も多様化してきました。

製品改良などが進むなかでアプリケーションを横展開できたことと、事業部の先輩たちが研究开発部門と共に材質?性能をアップブレードし?「いかにお客様の役に立てるか」という視点で技術を進化?深化させてくれたおかげです。

そんな上司や先辈に学び、私もデザインエンジニアとしてのキャリアを积んできました。とはいえ决して上司?先辈のサポート役としてではありません。若いうちから裁量のある仕事を任せるという住友电工の公司风土のおかげで、「今、持っている技术の裾野をどうすれば広げられるか」を常に考え、试行错误を重ねました。
 

市场の変化の激しいアップダウンを経験

かつて医疗用の极细电线の开発を担当したことがあります。医疗现场で使える线の细さと柔软かつ高耐久性を夸る配线部材ですが、适応范囲が非常に狭い。
「せっかくのよい技术だが、アプリケーションが狭すぎる。医疗だけでなくもう少し用途开発をしてくれないか」と上司から后押しを受けました。まさに私がやりたかったことです。
开発と営业チームとのプロジェクトを立ち上げ、彻底的に用途开発に取り组みました。

结果、折り畳み式の携帯电话やパソコンに採用されることになり、需要は急拡大。“ガラケー“を代表する折り畳みや回転式携帯电话が爆発的に広がった时期で、製品はおおいに伸びました。ところがスマートフォンの台头で需要は一気に落ち込み、エレクトロニクス製品の市场の変化の激しさを実感しました。

しかし、话はここで终わりません。その配线部材?技术は现在、ハイエンド笔颁の高速インターフェイスケーブルやドローン内部のカメラ周り配线へと繋がっていくことになりました。
 

「殻に闭じこもっていないか」振り返る

私がデザインエンジニアとして重视してきたのは、お客様目线です。営业と共にお客様に提案するためには、よい技术?製品の企画?製造が必须ですが、社内目线ではうまくいかない。お客様ならこの技术?製品をどうとらえるかで着想し、共同开発を进めてきました。

そんな私が2018年に电子ワイヤー事业部长に着任して以降、事业のありたい姿として掲げているのが「お客様に安心と価値を提供します」です。事业部の不変の姿だと考えています。

一方、时代の変化に合わせて「変えるべきもの」も明确にしました。私たちの製品はニッチトップであるため、どうしても自分たちの殻に闭じこもってしまいがちです。世の中の新たなチャンスを见逃してしまう可能性もあるのではないか。开発には注力するが、モノづくりが二の次になっていなかったか。冷静に振り返りました。
そこで出した方针が改めての「モノづくりの强化」です。お客様に安心と価値を提供するためには、开発と强いモノづくりの両轮が欠かせません。
 

改善活动を通して各现场の若手が成长中

全社を挙げてモノづくり強化に取り組む住友電工グループには、研究开発や生産技術本部による全社横串のノウハウ、情報、人材などの資産があります。これらを最大限に活用し、グローバルでのモノづくりの基盤強化に挑んでいます。
品质活动にも力を注いでおり、栃木県と青森県、中国にあるマザー工场では生产効率アップや品质向上に悬命です。各现场が他の现场の活动によい刺激を受けており、活动を通じて若手が大きく成长しています。

若手に望むのは、とにかく元気にやること。悩むのはいいけれど、一人で悩まずにチームをうまく活用してほしい。そして「殻を破って、半歩外に出てみよう。半歩踏み出すことが将来きっと効いてくる」と伝えています。

これは私自身が先辈からかけてもらった言叶です。仕事がうまくいかずに悩んでいた30代の私に、先辈が「住んでいる世界が狭いね。失うものはないのだから、殻を破ってチャレンジしなさい」とアドバイスをくれました。
はっとしました。どうして小さなことに悩んでいたんだろうと、落ち込んでいた気持ちが浮上しました。以来、新しいことに积极的にアクセスするようになり、现在は先辈の言叶を若い世代にリレーしています。

俯瞰的な眼で、さらなるお客様への贡献を

电子ワイヤー事业部长として、持続的な成長に向け、今後も伸びる分野に身を置くことを重視しています。例えば電気自动车なら、タブリードだけでなくさらに付加価値の高い製品を生み出し、カーボンニュートラルの実現に貢献する。医療現場では、身体に負担の少ない内視鏡手術がさらに普及しディスポーザルになると、極細電線を供給できる私たちがお役に立てると考えます。今後とも、鮮度の高いお客様情報に接して、安心と価値を提供し続ける事業風土を堅持していく所存です。

よい技术や製品を生み出して新たな用途开発をし、お客様に贡献できるのが事业の醍醐味です。末広がりにお客様を増やしていく事业の顿狈础にスピードを加え、次の世代につないでいきます。

PROFILE

横井 清則  Yokoi Kiyonori

1985年
住友電気工業株式会社 入社 電子ワイヤー事業部

2010年
SUMITOMO ELECTRIC INTERCONNECT PRODUCTS(HONG KONG), LTD. 赴任

2010年
住友电工电子製品(深圳)有限公司 赴任

2013年
电子ワイヤー事业部次长

2016年
住友电工プリントサーキット株式会社 出向

2018年 
电子ワイヤー事业部长

2019年
执行役员

2021年
常務执行役员

现在に至る

横井 清則

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