谁もなし得なかった世界最高强度をついに実现

大久保さん

新规成长法による超高强度カーボンナノチューブ线材

新领域技术研究所 
主席 大久保 総一郎

アルミよりも軽量で、鋼の20倍以上の引っ張り強度と銅に勝る導電率を持つ、そんな夢のような性質を兼ね備えたカーボンナノチューブ(carbon nanotube、CNT)は、1991年に構造が解明されて以来、「次世代の超高強度線材」としても期待されてきました。しかし、1本1本の繊維(単結晶)の優れた性能は、集合線にすると失われてしまうという難点があり、世界中の研究機関が実用化に挑みながらも製品化を叶えるには至っていませんでした。

我々が开発している颁狈罢线材も、研究テーマとして认められるまでの道のりは険しいものでした。本技术の重要性を理解してくれた同僚、逆算思考で挑戦を认めてくれた上司や役员、共同研究にご协力くださった関係机関の皆さんのおかげで、15年に及ぶ研究期间を経て、ようやく电线材料として製品化へのロードマップを手にしました。そして今、その先に见えてきた次なるビジョンに心を踊らせています。

そもそも、カーボンナノチューブ(颁狈罢)とは

鉄、ニッケル、コバルトといった迁移金属のナノ粒子を高温下で炭化水素原料と反応させて炭素を浸み込ませる(浸炭する)と、いずれ过剰になった炭素がナノ粒子の表面に蓄积して成长し始め、粒子サイズの直径を持つチューブが自然にできあがります。これが颁狈罢です。金属中の炭素が尽きるとそれ以上は成长しなくなるため、ガスから炭素を补充することで成长を続けます。従来の成长法で得られる颁狈罢は、最大でも1肠尘程度で品质も不安定であったため、用途は限定的でした。

カーボンナノチューブ成长の弱点をハニカムで克服

颁狈罢集合线の特性が低下する最大の要因は、単繊维1本が数十ミクロンと极めて短いこと、そして、単繊维を整列させて集合化させることの难しさでした。しかし、ブレイクスルーは突然访れました。筑波大学と共同研究を进めていたある时、学生さんの条件设定ミスで、なんと数センチにもなる、欠陥の非常に少ない颁狈罢が狭い流路の先にきれいに并んで伸びているのが発见されたのです。これをきっかけに「狭小流路」を用いた、これまでにない装置を试みることになりました。この时ヒントになったのが、手顷な価格で手に入る市贩のセラミクス製のハニカムでした。こうして得られた当社独自の颁狈罢线材は、树脂で复合化した线材の実験室のトップデータではありますが、炭素繊维の强度(最大7骋笔补)を凌驾する14骋笔补を记録する世界初の快挙を成し遂げました。


  CNT成長工程  

宇宙エレベーターの実现までも

炭素繊維複合材が航空機に使用されたことで、ボーイング787は燃費が25%削減されたと言われています。当社のCNTは従来の炭素繊維よりもはるかに高い強度を有するため、航空機や自动车、ドローンなどの構造材に採用されれば、軽量化によりさらなる燃費改善が見込まれます。また、現在参画している国家プロジェクトでは耐衝撃材としての開発を目指しており、自动车の乗員を守る安全部品やスポーツ用の高性能プロテクタとしても活用が期待されています。さらに、その先には宇宙エレベーターへの採用も視野に、今後ますます新しい用途を作り出せる可能性が広がっています。
      大久保さん    

関连情报

?摆共着闭「」『SEIテクニカルレビュー第185 号』

?摆共着闭「Fabrication of high-strength carbon nanotube bundles using iron oxides co-assisted chemical vapor deposition」Applied Physics Letters 115, 023106 (2019). doi: 10.1063/1.5098370

?摆共着闭「Floating-Bridge法によるカーボンナノチューブ紡績糸の機械特性」第80回応用物理学会秋季学術講演会

?摆共着闭「Fast-Flow-Assisted Floating-Catalyst Chemical Vapor Deposition for Direct Fabrication of Carbon Nanotube Fibers」NT21、Rice University, USA

技術論文集『住友电工テクニカルレビュー』

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『住友电工テクニカルレビュー』の歩み

創刊200号を迎えて社長メッセージ、『住友电工テクニカルレビュー』の歴史についてご紹介します。

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