
地球温暖化抑制に资する颁翱?排出削减を実现せよ?「ワイヤーハーネス」アルミニウム化への挑戦?
铜からアルミニウムへ?时代が要请した车両軽量化のうねり?
人类は产业革命以来、石油や石炭などの化石燃料を燃やしてエネルギーを取り出し、経済を成长させてきた。その结果、大気中の二酸化炭素(颁翱2)浓度は产业革命前に比べて、约40%以上も増加したといわれる。これら颁翱2をはじめとした温室効果ガスの増大によってもたらされたのが「地球温暖化」という深刻な环境问题である。地球温暖化による影响は、异常気象や海水面の上昇、生态系の破壊、さらには农业?渔业への影响がもたらす食料资源の减少など、すでに多方面であらわになりつつある。地球温暖化は人类が直面している最重要课题といっても过言ではない。
こうした事態に対して世界が起こした実質的なアクションが、1997年に開催されたCOP3(気候変動枠組条約第3回締約国会議)で採択され、地球温暖化抑制のため先進国に温室効果ガスの排出削減を義務付けた「京都議定書」の締結だった。この国際的合意は、広く産業界に大きな変革を促すこととなったが、特に化石燃料を動力源とする自动车や関連製品のメーカーにとって、CO2排出削减は喫紧の课题となったのである。
CO2排出削減のために自动车産業が取り組んだのが、エネルギー消費量の抑制であり、その実現のための燃費の向上だった。エンジンの燃焼効率の向上と併せて、車体の「軽量化」が不可欠であることは業界共通のコンセンサスとなった。こうした状況の中、住友電工グループが取り組みを開始したのが、従来、銅素材で生産されていた車内伝送システム「自动车用ワイヤーハーネス」を、軽量素材?アルミニウムに転換することだった。車両軽量化を目指したワイヤーハーネスの「アルミニウム化」への取り組み。それは、社会的?地球的課題とされるCO2排出削减、ひいては地球温暖化抑制への挑戦でもあった。
自动车の生命線?ワイヤーハーネス

「ワイヤーハーネス」──これは電力供給や信号通信に用いられる複数の電線を束にして集合部品としたものだ。自动车の車内配線にも多く用いられており、エンジン作動やガソリン燃焼のためのプラグ点火、ヒーターやエアコン、パワーウィンドウ、ルームランプ、オーディオ、カーナビなどの製品をつなぎ、エネルギーと情報の伝達を担っている。いわば人体の神経や血管に相当する役割を担う伝送システムだ。住友電工グループは、戦後間もなくこのワイヤーハーネスの開発?生産に着手。1960年代、高度経済成長とそれに伴うモータリゼーションの波を受け、急速に生産を拡大した。さらに2000年に入るとM&Aも含めアグレッシブに事業を展開、住友電工グループの屋台骨を支える製品にまで成長した。「自动车業界のグローバル化、そして自动车そのもののエレクトロニス化が進展したことで、ワイヤーハーネスの付加価値は今まで以上に高くなるという経営判断があり、積極的な拡大路線を取ってきたわけです」(住友電工常務執行役員?清水和志)。しかし、すでに先行するワイヤーハーネスメーカーが存在し、開発競争は激しさを増していた。
一方、カーメーカーにとって大きな课题は、燃费向上であった。そのためには车体軽量化は不可欠であり、车载部品にアルミニウムを採用することは以前から検讨されてきていた。アルミニウムの比重は鉄や铜と比较して3分の1、圧倒的に軽い。さらに単位重量あたりの强度は鉄よりも高く、加工性も优れていることから输送机器の軽量化に最适な材料の一つと考えられてきた。事実、ラジエターやエアコンなどの热交换器、一部高级车のドアやボディなどに徐々にアルミニウムが採用されつつある。さらにカーメーカーが着目したのが电装品だった。エンジン、オルタネーターと并び、ワイヤーハーネスは车体重量に大きな负荷をもたらしていた。その中でもワイヤーハーネスは、铜电线の块であり、电线のアルミニウム化は车両軽量化、そして燃费抑制に大きく寄与するものと期待されていた。しかし、アルミニウムへの転换は简単には进まなかった。

「アルミニウムが铜と同等の信頼性を确保できるかどうか。その悬念は常に付きまとっていました。軽ければいいというものではない。铜と同等の强度や接続性が确保できるか。そしてアルミニウムには特有の腐食问题がありました。アルミニウムは异种金属と触れることで腐食し錆びる可能性があります。こうした难题がアルミニウム化に时间を要した最大の理由でした」(住友电工执行役员?长野友明)
「オール住友电工」の挑戦が始まった
いわば胶着状态だったワイヤーハーネスのアルミニウム化というテーマが、大きく动き出したのは「京都议定书」の缔结によることが大きい。この缔结を受けて、ヨーロッパ各国は一斉に颁翱2排出抑制に乗り出し、贰鲍として颁翱2排出规制を取り决めた。「京都议定书」に不参加であった米国も、カリフォルニア州をはじめ各州で颁翱2排出規制の動きが始まった。こうした状況を受けて、自动车業界は、ワイヤーハーネスのアルミニウム化の検討を加速させていったのである。
一方で指摘しておかねばならないのは、銅の高騰という市場環境の変化である。中国における銅需要の急激な拡大が価格高騰を招き、カーメーカーにとってワイヤーハーネスのアルミニウム化は、コスト抑制のためにも必須命題となっていた。こうして、軽量化と低価格を射程においたアルミワイヤーハーネス(以下、アルミハーネス)の実現が、住友電工グループをはじめとしたワイヤーハーネスメーカーに託されることとなったのである。アルミニウムを使った電線は架空送電線のほか、自动车向けではバッテリーケーブルなどで使用されていたが、それらは大電流に対応し、導体断面積が大きい。一方、ワイヤーハーネスで多用されるのは導体断面積が小さい、低圧用アルミニウム電線である。他社の開発が進んでおり、カーメーカーからは「住友電工は遅れている」とまで言われていた。「“電線で住友電工が負けていいのか”というプライドが、我々に火をつけました」(前出?長野)。社員一人ひとりの想いが一つになった。

カーメーカーの要请を受けて、アルミハーネスの开発に着手したのは2006年秋、本格化したのが2007年初头だった。开発においては、当初から「オール住友电工グループ」の布阵で临んだ。すなわち、住友电工、住友电装、オートネットワーク技术研究所の叁社だ。ワイヤーハーネスのアルミニウム化における课题は明确だった。それは铜と同等の信頼性を実现すること。具体的にはアルミ电线自体の强度(引张り强さ)と电気伝导性(导电率=电気の流れやすさの指标)、电线と端子の电気接続信頼性を确保すること、そして古くから指摘されてきた异种金属接触腐食を防止することである。
アルミ电线の开発においては、住友电工グループの一员である富山住友电工の存在も大きい。同社は、各种アルミ线材の生产拠点であり、アルミニウムに特化した多様な知见を有していた。同社と协働でアルミ电线の开発を担当したのが、オートネットワーク技术研究所の大塚保之である。「开発目标を明确に定めてアルミ电线の开発に着手しました。最大のテーマは强度と导电率を両立させること。强度と导电率はトレードオフの関係にあり、强度を上げても导电率を低下させない新しいアルミ合金が求められました」。
